流し漉きとは

slidernagashi美濃では横と縦の交互に繊維を流して漉いていく方法が特に発達してきました。

繊維を縦横無尽に高い密度で積層させていくことで、美濃紙ならではの地合いと強度が生まれます。

Corsoyardでは通常、本美濃紙や落水紙といったことに関わらず、楮紙を漉くときには基本的な漉き方を踏襲しています。ネリをよく効かせた紙料で、一枚一枚に時間をかけて漉いていく美濃独自の漉き方になります。

その漉き方は大きく分けると5種類の動作に分けることができます。


漉き始め

1 化粧水(けしょうみず)

   簀の表面に均質に薄く繊維をのせます。 漉き始めの部分は急激な濾過が行われるため、繊維がムラになったり、チリなどが最も付着しやすい瞬間ですので、紙料の汲みこみから流し捨てる動作をすばやく数回行います。


繊維の積層

  2、3、4 の動作を繰り返し行うこと、また汲みこむ紙料の量を増やすことでより多くの繊維を積層させていくことができ、厚さを増すことができます。

2 横揺り(よこゆり)

   横方向へ繊維を動かしながら厚さを増すように丁寧に漉いていきます。

3 縦揺り(たてゆり)

   縦方向へ繊維を動かしながら厚さを増すように丁寧に漉いていきます。

4 宙揺り(ちゅうゆり)

   縦方向へ繊維を動かしながら紙の地合いを整えたり、厚さの調整、確認をします。


漉き終わり

5 払い水(はらいみず)

   漉き終わりの表面を整えると共に、最後に付着したチリやスジなどを流し捨てます。