古くから使われてきた日本の紙(和紙)の三大原料。
幹ではなく皮の部分の繊維を利用することも特徴です。対して、洋紙で使われている木材パルプとは樹皮ではなく様々な樹木の「幹」を砕いた繊維のことです。
楮(コウゾ)
クワ科の落葉低木。ヒメコウゾとカジノキの雑種であるとされていますが、種類を見分けることは非常に困難です。
日本の野山や川原に自生していますが、原料として使われるものは農家の方々が栽培されているものを利用することが多いです。
有名な産地品種としては、那須楮、土佐楮などがあります。
その靭皮繊維は太く強いのが特徴です。
三椏(ミツマタ)
ジンチョウゲ科の落葉低木。花が美しいため一般家庭の庭先などに観賞用として植えられる場合もあり、3種類の中では一番目にすることが多い植物です。
枝わかれしている部分は、必ず3つに分かれているのでこの名前がつけられたようです。
別表記 三叉、三又、三枝
その靭皮繊維は、細く強いのが特徴です。
雁皮(ガンピ)
ジンチョウゲ科の落葉低木。栽培が困難なため山林に自生している自然種を利用します。
人が手入れをして育てていないため、良質ではない繊維部分やチリなどが多く、紙の原料として使うためには楮や三椏に比べるとその処理に手間がかかります。
その靭皮繊維は、細く薄いのが特徴です。